安藤友香選手・忍者走りとは、構造的理解7 (中心軸)

安藤友香選手
04 /13 2017
(1)重心線、中心軸、身体軸とは
①重心線
人間の重心点から、 地球の中心を結んだ鉛直線のことです。
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重心点とは物体の重さの中心です。人間の重心点はおおよそ、へその少し上方内側にあります。
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②中心軸
重心線を延長した、足から頭までの身体を貫く軸です。 重心線と一致しています。
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③身体軸
身体の形状に合わせた軸のことを言います。身体をCTスキャンのようにスライスすると、スライスされた一つ一つの身体に重心点があります。その重心点を結んだラインが身体軸です。
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説明しやすくするため、身体軸を三つに分けて、頭軸(とうじく)、胴体軸(どうたいじく)、脚軸(きゃくじく)と表現します。
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通常の立位や日常生活では、中心軸と身体軸の一致した状態のほうが、重力負担が小さく、身体負担も小さいので、疲れにくく合理的です。
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(2)中心軸のある身体状態とは

「重心落下点を常に感じることが出来る」が大前提です。
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重心落下点とは、地面上に存在している、自分の重心線と接した1点です。片手を僅かに挙げただけでも、重心落下点は移動します。立っている時、座っている時、歩いている時、運動している時、感じようとすればいつでも感じられる身体状態であることが、中心軸のある身体には必要です。

また、この身体状態は「1点で立っている状態」になり、身体は微妙にゆらいでいます。そのため、筋肉ではなく「骨格主導」にて立っています。
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(3)「点で立つ」中心軸に必要な2つの構造

①脊柱の生理的湾曲
発生学的に見ていくと、人類は、四足から直立二足歩行へと進化する事で、脳が発達し、手も自由に使える様になりました。身体各部の重量を、最も身体的に負担なく、立ったり・座ったり・活動したりする為に、背骨が直立歩行に適した有利な形に変化してきました。この有利な形が、「脊柱の生理的湾曲」です。
直立二足歩行の人間は、歩いたり、走ったりする事で身体に衝撃を受けています。衝撃には大き く分けて「前後方向」「左右方向」「上下方向」があります。脊柱は生理的湾曲のあるお陰で「前後・上下方向の衝撃に、より強い構造」になっています。身体への衝撃を、ショックアブソーバーとして働き吸収するのが生理的湾曲です。
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生理的湾曲が形成されると、背骨は中心にまとわりつくように寄り添って中心軸が形成されやすくなります。

②脚三関節の「自由度」と「ゆらぎ」(股関節、膝関節、足首の関節)
生理的湾曲の形成された胴体を支える脚三関節に「ゆらぎ」のあることで1点で立てるようになります。ここが固まっていると、骨格主導では立てず「ゆらぎ」が消え、中心軸が失われてしまいます。

(4)中心軸を保って走るために必要な胴体一体化

生理的湾曲のある胴体を崩さずに運動できる状態を「胴体一体化」と言います。そのためには、
・重心を感じることのできる緩んだ身体
・自由でゆらぎのある脚三関節
・生理的湾曲を維持できる強固な身体
以上が必須となります。
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サッカー中村俊輔選手      安藤友香選手(中心軸で表現)
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陸上ボルト選手     テニス錦織圭選手(生理的湾曲で表現)

(5)中心軸の効果

中心軸が形成されていることで、安藤友香選手にて説明してきた身体構造を体現することが可能になります。
①肩甲関節体による腕の振り
②胴体垂直による落下前進運動
③極限まで上下運動が小さいピッチ走法
④骨格の長所を生かす走法
⑤腰をひねらず、前後運動もしない走法

以上となります。
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安藤友香選手・忍者走りとは、構造的理解6 (腕・脚の斜め振り子)

安藤友香選手
04 /08 2017
直立二足歩行で歩いたり、走ったりするには、手足は前後運動した方が、効率的、機能的、合理的です。 幼・保育園での園児の様子を見ていると「斜め運動」をよく見ることができます。「手の振り」「脚の振り」が「前後運動」では なく「斜め運動」になっています。これは成長の途中経過「移行期」の特徴的運動です。
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「斜め運動」は一つの体に、二つのベクトル、二つの方向が存在する事になり、身体を二つに分解 する様な現象です。その為、斜め運動のエネルギーが働き続ける事で、前進力を弱める事になります。

◎進行方向と一致した前後運動
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◎進行方向を妨げる斜め運動
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安藤友香選手は理想的な前後運動による「腕の振り」「脚の振り」になっています。
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キルワ選手は「腕の振り」が斜め運動で、「脚の振り」は前後運動になっています。
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次回は、安藤友香選手の走りの中で、実は最も重要な「中心軸」について説明します。


安藤友香選手・忍者走りとは、構造的理解5 (1軸走行、2軸走行、骨盤は動かない)

安藤友香選手
04 /06 2017
道路の白線上を走る場合に、一軸走行は左右の足の着地は白線上になります。二軸走行は白線を跨ぐ感じで走ります。走る場合にどちらが良いかについては、諸説があるので紹介します。

『賢く走るフルマラソン』田中宏暁先生
右足を前に出して一直線に走るには、腰をひねって内側に回転させなければなりません。そうすると安定させるために上半身は左腕と左肩を斜め前方に不利だし、右肩を引きます。1本の軸を中心に「腕と胸」と「腰」が逆にねじれるようになります。これはまったく無駄な動きです。右腰と左腰の2本の軸を意識して、2本のレールの上を走るようにするとこのねじれを起こさずにすみます。

『非常識マラソンメソッド』岩本能史コーチ
ランニングは1本のライン上に左右交互に着地する1軸走法が正解です。人間の骨格は、歩行から走行へ移行すると自然にそうなるようにできています。歩行から走行に変わることで肩が回転して骨盤が左右交互に前に出ますから、無理なくストライドが伸びて1本の線上に着地します。

ランナーにとっては、どうしたら良いのか迷ってしまいます。
ここで、発達と歪み研究所の観点を説明します。

胴体垂直による落下前進運動による走法では
1軸走行でも2軸走行でも、腰をひねらず、前後運動もしない。


「右足を前に出して一直線に走るには、腰をひねって内側に回転させなければなりません」
「歩行から走行に変わることで肩が回転して骨盤が左右交互に前に出ますから」
上記の、先生方は二人共「腰をひねる」「骨盤が左右咬合に前に出る」という
骨盤の動く運動が、走法の中にある事を述べています。

当研究所の走法では、骨盤はひねらず、前後運動もしません。
安藤友香選手は、この走法になっています。骨盤は動きません。

この走法を獲得するための重要ポイントは「股関節」です。
それも「使える股関節」です。

使える股関節があり、各人の構造的に適した脚運動になると
1軸走行、2軸走行、どちらでも最適走法になる。


(1)「大腰筋を意識し、胸から下を脚と考えて歩く」という誤認識について

歩き、走りについて、大腰筋を意識し、胸から下を脚と考えて歩く、走るという理論があります。しかし、多くの方が間違って理解されています。確かに大腰筋は、大腿骨(ふともも)を引き上げる筋肉で、胸の下から、股関節まで伸びています。だからといって、胸から下を脚のように使って良いということで はありません。股関節を中心としないで、胸から下(仮肋部)を脚と考えて歩くと、股関節が担当している運動を、腰椎や仮肋部が代償するようになります。そのため、腰周辺部に圧迫と、ねじりが入り、歩くほど損傷しやすくなります。
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仮肋(かろく)部とは
胸椎部は、十二対の肋骨が、軟骨によって胸骨につながる「かご状」です。上から七つの肋骨は、直接、胸骨につながり真肋(しんろく)と言われ、八〜十二番は直接つながっていないので仮肋と言い ます。本書では、胸椎を含めて上から七つを真肋部、八〜十二番を仮肋部と表現します。胸骨に直接繋がっていない仮肋部は、動きやすく、前湾・後湾しやすい部位となります。

①股関節を使った歩き、走り
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安藤友香選手

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キルワ選手(体軸は折れていますが、骨盤のひねり、前後運動は小さくなっています)

②胸から下(仮肋部)を脚とした歩き、走り
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胸から下(仮肋部)を脚として歩くと、イラストの様に、右脚が後ろにある時、骨盤も右後ろに引かれた状態になっています。
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骨盤が後ろに引かれた結果、仮肋部がねじられてしまいます。その ため腰周辺部が歩く度に、右に左にねじられ、損傷しやすくなります。
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(2)前進力の違い

①股関節を使った歩き、走り
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前脚を接した時、10キロの前脚が抵抗となり後方に戻します。抵抗を除くと40キロが前進力になります

②胸から下(仮肋部)を脚とした歩き、走り
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脚を接した時、15キロの仮肋部と腰が抵抗となり後方に戻します。抵抗を除くと10キロしか前進力がありません。

「腰をひねらず、前後運動もしない走法」のほうが省エネで合理的

1軸走行、2軸走行についても、骨格構造的に無理があってはどちらの走法も無意味


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安藤友香選手は、骨格構造上、1軸走法が適しているので、1軸走法となっているようです。

次回は、腕ふりの「斜め運動」について説明します。

発達と歪み研究所

http://www.88stg.rgr.jp