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高橋尚子選手の「独特な腕振り」構造的解説

マラソン 高橋尚子選手
01 /17 2020
シドニー五輪で金メダルに輝いた高橋尚子選手の腕振りフォームは大変話題になりました。
腕を抱え込むようにコンパクトに折りたたんだ独特のフォームのため、異議を唱える人もいました。しかし当時の小出義雄監督は「Qちゃんはあれでいいんだ」とフォームを矯正しなかったそうです。

Qちゃんの腕振りの特徴を構造的に解説します。

(1)発生学的に見る「腕振り」とは

発生学的には、腕と脚は以下のように対応します。

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太もも(大腿骨)が肩甲骨に対応
スネ(脛骨)が腕(上腕骨)に対応


四足動物の「腕を振る」=「肩甲骨」と「腕(上腕骨)」を振る

結局、肩甲骨を振ることが「腕振り」であり「走る」という事になります。


(2)腕を振る意味

 走る運動において「脚」という重い足を前後に動かす必要があります。疲れてくると「足が上がらない」「ももを持ち上げられない」となってくるように「足」「脚」を持ち上げる運動にはかなりのエネルギーが必要です。

その脚を持ち上げる運動を「手助け」してくれるのが「腕振り」です。

脚を持ち上げる力、運動量は 
 運動量=質量(m)✕速度(v) で表されます。

サニブラウン選手のところで解説したのでここでは省略します。詳しくは下記をクリックして下さい。
サニブラウン選手の腕振り

(3)肩甲胸郭関節が使える高橋尚子選手

肩甲胸郭関節については下記をクリックして下さい。
肩甲胸郭関節体

2015東京国際女子マラソンで優勝したときの高橋尚子選手と2位のバルシュナイテ選手と比較します。

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二人の体格が等しいものとして「腕の運動量」を見てみます。

高橋尚子選手   : 腕振り → ゆっくり  腕 → 重い
バルシュナイテ選手: 腕振り → 速い    腕 → 軽い


高橋尚子選手は、肩甲胸郭関節が使え、腕が重いので「ゆっくりとした腕振り」でも、バルシュナイテ選手のように「速い腕振り」と同じような運動量になっています。

特にマラソンのような競技では「腕振りによる体力の消耗を」かなり抑えることができます。


この「Qちゃんの独特な腕振り」は肩甲胸郭関節が使える身体であったことから生み出された事になります。

他の選手が真似をしても、肩甲胸郭関節が使える身体にならないと不可能です。身体を壊してしまいます。

安藤友香選手の記事も参照願います。
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同じトレーニングでも全く違う効果 総合格闘家 朝倉海選手

総合格闘技 朝倉海選手
10 /21 2019
朝倉海選手と友人(一般人)が「穴掘りトレーニング」をしている動画を分析しました。

身体の使い方に大きな違いがあり、同じトレーニングをしても、全く違う筋肉が鍛えられたり、身体を壊すことにもなるので解説します。    


左:朝倉海選手    右:友人(一般人)

①最初の「構え」のポジションが全く違います
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②股関節、膝関節の曲げ方が全く違います
 朝倉選手は友人より「股関節」「膝関節」を曲げる角度(屈曲角度)が、約2倍はあります
 特に「股関節」が大きく屈曲し、トレーニングに使われていることがわかります
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同じトレーニングをしても、効果は全く異なります。
次回は、兄の朝倉未来選手のトレーニングを一般人と比較して分析します。

総合格闘家 朝倉海選手のパンチ分析 達人への進化

総合格闘技 朝倉海選手
10 /17 2019
2019年10月12日 RIZIN19が行われました。
8月の前回大会で王者・堀口恭司選手にKO勝利した朝倉海選手が、RIZINバンタム級四天王で元UFCファイターの佐々木憂流迦(ささきうるか)選手に1回54秒、ドクターストップで勝利しました。(佐々木選手は顎粉砕骨折)

今回は朝倉海選手のパンチについて分析していきます

肩関節体から、達人の「肩甲胸郭関節体」へと進化していく過程が見られます

肩関節と肩甲胸郭関節体について

濃いグレーが肩関節体
薄いグレーと濃いグレーを合わせたものが肩甲胸郭関節体


(1)左オーバーハンド

①肩関節体での動きが強いですが、肩甲胸郭関節体としての動きも加わっています
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③フィニッシュは肩関節体のみになってしまいました
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(2)右オーバーハンド

①肩甲胸郭関節体のみで動いています
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②肩関節体の動きが加わってきました
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③フィニッシュは肩関節体のみになってしまいました
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現在の、朝倉海選手は、まさしく達人へと移行する過程にあります。

ボクシングの井上尚弥選手はフィニッシュまで、肩甲胸郭関節体を使えるので、相手を一撃で失神させることも可能です。

井上尚弥選手の肩甲胸郭関節体について

以下は井上尚弥選手です。
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朝倉選手も、井上選手並みに使いこなせるようになると、パンチでのKO率が、さらに上がっていくと思われます。






堀口恭司選手が那須川選手に負けた理由は「ローブロー(金的攻撃)」NO.3

総合格闘技 堀口恭司選手
09 /11 2019
第三ラウンド

4回にわたるローブロー(金的攻撃)により、堀口選手はフラフラで、動きが遅く、反応も遅くなりました。このラウンドでも回復していません。数時間休まないと、4回もの、ローブローからの回復は不可能です。
本来の実力の2〜3割しが出ていないと思います。
堀口選手は負けたあとのインタビューでも「ローブローで負けた」などとは一言も言いませんでしたが、ローブロー(金的攻撃)が、試合の勝敗を分けました。


(1)堀口選手のパンチが当たらない(2:28)
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第一ラウンドのような、前進力が消え去りパンチが届きません

(2)那須川選手のローブローがかすります(2:17)
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(3)堀口選手のパンチが当たりません(1:46)

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④重ねます(①と③)
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第一ラウンドのような、前進力が消え去りパンチが届きません

(4)那須川選手の回転蹴りが堀口選手に当たります(1:04)
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(5)那須川選手のパンチが堀口選手に当たります(0:45)
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(6)堀口選手のパンチが那須川選手に当たります(0:44)
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(7)那須川選手のパンチが堀口選手に当たります(0:27)
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このラウンドでは、那須川選手のパンチが2回、蹴りが1回で、合計3回ヒットしました。
堀口選手はパンチ1回のみだったので、那須川選手のラウンドでした。

堀口選手は、那須川選手のローブロー4回の攻撃を受けてからは、劣勢となり、体力も削られボロボロでした。

これだけの、ローブロー(金的攻撃)という反則が4回以上あったので、この試合での勝敗は意味が無いと思われます。





堀口恭司選手が那須川選手に負けた理由は「ローブロー(金的攻撃)」NO.2

総合格闘技 堀口恭司選手
09 /08 2019
第二ラウンド

(1)那須川選手の2回目のローブローが堀口選手にヒット(2:46)
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(2)那須川選手の回転蹴りが堀口選手にヒット(2:03)
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(3)那須川選手の3回めのローブローが堀口選手にヒット(0:53)
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この時は、審判もタイムを取り、堀口選手の回復を待ちました。しかし、堀口選手は立てないほどの地獄から、かろうじて立てるようになるまで回復しただけです。
那須川選手は、この時間で、ダメージを回復し、万全の状態になっています。


(4)那須川選手の4回目のローブローが堀口選手にヒット:3回目のローブローから僅か13秒後(0:40)
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13秒後のさらなる金的攻撃。那須川選手は、もはや反則負けになっても当然です

金的に当てていないという那須川選手のアピール
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ここでも、堀口選手の回復を待つために、タイムが取られました。この日は、台風が迫っていたため、長い時間をかけて回復の時間をとることが出来ませんでした。数分で、堀口選手は立ち上がりましたが、もはやフラフラ。あんな状態で、よく立ったと思います。

このローブロー後、那須川選手の「怒涛のラッシュ」が始まり、那須川選手のパンチが初めて堀口選手にヒットしました。



(5)那須川選手の右パンチが堀口選手に初ヒット:ローブローから18秒後(0:22)
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(6)那須川選手の左回し蹴りが堀口選手にヒット(0:22)
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(7)フラフラで堀口選手のパンチが当たらない:4回のローブロー以降、堀口選手のパンチが当たらなくなります(0:17)
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(8)フラフラで堀口選手のパンチが当たらない(0:10)
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このラウンドでは、那須川選手の蹴りが2回、パンチが1回で、合計3回、堀口選手に当たりました。

第一ラウンドでは、堀口選手が3回のパンチを当てているので、イーブンと思われます。

しかし「3回めのローブロー」から僅か13秒後の「4回目のローブロー」はヒドすぎます。「狙って蹴った」と思われても言い訳できません。
プロ同士の試合ですから、たとえ蹴りやすい位置に金的があったとしても、当ててしまったら「素人同然」です。

本来であれば「反則負け」か「かなりの減点」になります。


RIZINでは、金的を蹴っても減点にならないので「蹴ったもの勝ち」となります。

結局、那須川選手のパンチが当たったのは、4回の金的攻撃が終わってからです。金的攻撃がなければ、結果はかなり違っていたでしょう


発達と歪み研究所

発達と歪み研究所では
・骨格細分化調整
・構造的に正しい姿勢
・構造的に正しい身体の使い方(身体操作)
を研究しています。

「骨格細分化調整」と「構造的に正しい姿勢・身体の使い方指導」という、2つのアプローチを用い、中心軸整体にて、赤ちゃん整体、子供整体、構造的に正しい姿勢調整を行っています。

身体操作については、書籍にて「中心体操 初級」や、様々なオリジナルのトレーニングを紹介しました。このブログでは「中心体操 中級・上級」を含め最新のトレーニングを紹介します。