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井上尚弥 当たらない左ジャブ 危なかった対ロドリゲス戦

ボクシング 井上尚弥選手
05 /30 2019
ロドリゲス戦では、2ラウンドにTKOで井上尚弥選手が勝利しました。しかし、この試合で、ストレート並みの左ジャブが一発も当たりませんでした。今までの井上尚弥選手からは、想像もできない状況でした。

今までの、井上選手の左ジャブは、相手選手に気づかれることなく当たりました。それを可能にしたのが、井上選手の「神速移動」「神速ステップ」

神速移動の解説は下記へ
井上尚弥選手のパンチだけ当たる理由1 ・気配なく間を詰める ・相手に気づかれずに接近する ・予備動作無しに動ける理由
井上尚弥選手のパンチだけ当たる理由2 ・気配なく間を詰める ・相手に気づかれずに接近する ・予備動作無しに動ける理由

予備動作なく、落下運動で前進するので、相手に気づかれずに距離を詰めていた左ジャブ

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対ワルリト・パレナス戦  ・前進するときに、膝の位置が下がっています


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対ニエベス戦  ・前進するときに、膝の位置が下がっています


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対ファン・カルロス・パヤノ戦(1ラウンド70秒KO勝利) ・移動しても頭の位置が上下しません


今回、ロドリゲス戦での井上尚弥選手は、全く別人です

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移動のときに、頭が上に移動しています。地面を蹴って前進しました。そのため、ロドリゲス選手に気づかれています。
井上選手の前方へのステップが小さいので、ロドリゲス選手はバックステップもしていません。全く当たっていません。

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移動のときに、膝の位置が上がっています。地面を蹴って移動している状態なので、頭の位置も上がっています。

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体を開いて左ジャブを打っているだけで、ステップを使った前進がありません

今回は「過度の緊張」によりこのようになったと思われます。
試合後のインタビューで
「いや、1ラウンド目は凄いりきんで、自分でもびっくりするぐらい、なんじゃこりゃと。相手も王者ということと、グラスゴーでやるという環境の差が、キャリアが足らないところだなと実感しました」と語っていました。

緊張により、本来の井上尚弥選手の「神速ステップ」は消えたようです。

地面を蹴ると、上方向に身体は移動します。いくら力んで地面を蹴っても、上に行くだけで、相手には近づきません。
決勝では、以前のような、落下による神速ステップを期待しています。
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井上尚弥、ロドリゲス戦 見えない左フックの分析

ボクシング 井上尚弥選手
05 /28 2019
不利な体勢でもダウンを奪えるパンチの構造
相手に「見えなかった」と言わせるパンチの構造


 ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)の準決勝が2019.5.18(日本時間19日)、英国グラスゴーのSSEハイドロで開催されました。
 WBA世界バンタム級王者・井上尚弥(26)が2回1分19秒TKOでIBF世界同級王者のエマヌエル・ロドリゲス(26)に圧勝し決勝進出を決めました

 第2ラウンドで最初のダウンを奪ったのは、井上尚弥の「左フック」でした。しかし体勢はかなり不利で「下がりながら」「後に倒れるような状態」だったので、普通はダウンを取れるようなパンチを打てません。

 本来のKОパンチは、衝突のエネルギーを最大限にするため、体重移動を使い踏み込むことで、パンチに体重を乗せて打ちます。しかし、井上尚弥選手の左フックは「後に下がりながら、後に倒れるような状態」でした。

 不利な体勢でもダウンを奪えたのは、井上尚弥選手の「特別な身体構造」にあります

井上尚弥選手「左フック」の秘密は
・胴体(身体軸)の回転運動
・肩甲胸郭関節体(けんこうきょうかくかんせつたい)


上記2つの身体構造から「不利な体勢でもダウンが取れ」「見えない」左フックが生まれます。

肩甲胸郭関節についてはこちらへ

①パンチの準備段階

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②胴体の回転運動がスタートするが、腕の位置は全く動いていない

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③胴体の回転運動が最大限になるが、腕の位置は全く動いていない

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④胴体の回転運動でタメられたエネルギーが、腕の回転運動となり左フックが動き出す
 ①〜③までは腕の位置に変化がないので
相手はパンチの来ることがわかりません
 ④で急に、高速なパンチが飛んでくるので
「パンチが見えなかった」とロドリゲスは語っています

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⑤ 胴体の回転運動でタメられた、全エネルギーが乗った左フックの炸裂

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①のイメージをイラスト化すると
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②③のイメージは
①の状態から③までは、腕の位置が全く動いていないのが特徴です
胴体が回転しても腕部(肩甲胸郭関節体)が留まり、エネルギーを蓄積しています

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④⑤のイメージは
蓄積されたエネルギーが一挙に開放され動き出す「みえないパンチ」の構造です
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肩甲胸郭関節を使う「フック}はアニメ、ワンピース主人公ルフィのパンチ「巨人族の腕」のような破壊力があり、パンチ力を生じるイメージに合致しています。

次回は「当たらない左ジャブ」について解説します。

100M 9.99 サニブラウン選手 10秒を切った速さの構造

100M サニブラウン・ハキーム選手
05 /18 2019
日本人で二人目の、100mで10秒を切った選手です。その速さの秘密を、構造的に正しい身体の使い方から分析すると「肩甲胸郭関節」(けんこうきょうかくかんせつ)が大きく発達していることがわかります。

(1)肩甲胸郭関節とは(以前説明した内容を再度アップします)

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(2)腕を振ると、胴体も振られる肩関節体

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①肩関節体の腕振り

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腕と胴体が一体になっているので、腕を振ると胴体も一緒に振られてしまう


②肩甲胸郭関節体の腕振り

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腕と胴体が分離しているので、腕が振られても胴体は振られない


(3)肩関節体の腕振りで崩される「中心軸」

サニブラウン選手は当初、「肩関節体」でした。しかし、海外で練習をしたのち「肩甲胸郭関節体」に変化した、稀な選手です。

①肩関節体だった頃のサニブラウン選手(1996年当時)

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腕を振ると、胴体が引っ張られるので、中心軸が崩れています


②海外練習後、肩甲胸郭関節体になったサニブラウン選手(1997-1998年)

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肩甲胸郭関節が発達し、腕を振っても、胴体と分離しているので、胴体が安定し中心軸が維持されている

次回は、肩甲胸郭関節体での腕振りにより、パワーアップされる構造について
その後、桐生選手、ケンブリッジ選手、山縣選手、多田選手についても解説します。

合気道開祖 植芝盛平 肩甲胸郭関節体 船漕ぎ体操2

合気道 開祖 植芝盛平
04 /17 2019
最初に、肩甲胸郭関節体と肩関節体の違いを再確認します。

肩関節体で肩を上げる

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腕と胴体がくっついているので、肩を上げると、胴体も一緒に引き上げられます。


肩甲胸郭関節体で肩を上げる
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腕と胴体が分離しているので、腕を上げても胴体は影響を受けません。

肩関節体で腕を動かす

katakansetu0.jpg  ②katakansetu1.jpg  ③−1katakansetu2.jpg  ③−2katakansetu22.jpg  ④katakansetu3.jpg 

肩甲胸郭関節が動きにくい肩関節体では、腕を上げたり①、前に出すと④、肩甲胸郭関節が動かない代償として、腰が前に出るような運動になってしまいます。
また腕を後ろに振ると③−1のように腹を丸めたり、③−2のように腰が前に出るような代償運動が生じます。

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首から背中がギューと縮まったり、肩が前に巻き、前方に飛び出るようになります。


肩甲胸郭関節体で腕を動かす

kenkou0.jpg  ②kenkou1_20190415131558048.jpg     ③kenkou2_20190415131559729.jpg        ④kenkou3_20190415131601cc1.jpg

肩甲胸郭関節が動くと、腕を上②、後ろ③、前④に動かしても、胴体が代償として動くことは、ほとんどありません。

船漕ぎ体操とは、ボートに乗って、オールを使って漕ぐような運動です。

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このオールを漕ぐ運動が肩甲胸郭関節体では以下のような運動になります。

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腕を前に出すと、肩甲胸郭関節体ごと前に出ます。腕を引くと、肩甲胸郭関節体ごと後ろに引かれます。

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植芝先生は、まさしくこの運動を行っています。

他の指導者の場合

200012.jpg姿勢の崩れ

200022.jpg肩の前巻き

200031.jpg肩上がり

200032.jpg肩の前巻きと姿勢の崩れ

書籍では船漕ぎ体操の初級を紹介しましたが、これから「船漕ぎ体操 中級」についても解説していきます。

合気道開祖 植芝盛平 肩甲胸郭関節体 船漕ぎ体操1

合気道 開祖 植芝盛平
04 /15 2019
 合気道の開祖として知られる植芝盛平は、身長156cmながら大相撲力士を投げ飛ばすなど幾つもの武勇伝が有る。また老境に至っても多くの“神技”を示し「不世出の達人」と謳われた。
 合気道は日本国内だけでなく世界的に大きく広まり、柔道・空手道などに次ぐ国際的武道に育った。植芝盛平の功績は社会的に高く評価され、紫綬褒章、勲三等瑞宝章などを受賞した。

 ここでは植芝盛平先生の「肩甲胸郭関節体(けんこうきょうかくかんせつたい)」を「船漕ぎ運動」または「鳥船の行」から見ていきます。

肩甲胸郭関節体と肩関節体の圧倒的な違い

植芝先生は「肩甲胸郭関節体」が出来ているので、普通に腕を使うだけで、神業のようになってしまいます。
(神業になる理由は、ボクシングの井上尚弥選手、ワシル・ロマチェンコ選手を参照願います)

船漕ぎ体操は合気道の準備体操として行われていますが、構造的に正しい身体の使い方から見ていくと、植芝先生の意図する「船漕ぎ体操」が受け継がれていないように見えます。

現在の、合気道指導者による船漕ぎ体操(肩関節体による運動)

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合気道開祖 植芝盛平の船漕ぎ体操(肩甲胸郭関節体による運動)

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構造的に正しい身体の使い方から見ると、植芝先生と他の指導者の先生方とは、全く違う船漕ぎ体操の運動を行っています。

次回は、構造的に正しい船漕ぎ体操を解説しながら、肩甲胸郭関節体についても述べていきます。

発達と歪み研究所

発達と歪み研究所では
・骨格細分化調整
・構造的に正しい姿勢
・構造的に正しい身体の使い方(身体操作)
を研究しています。

「骨格細分化調整」と「構造的に正しい姿勢・身体の使い方指導」という、2つのアプローチを用い、中心軸整体にて、赤ちゃん整体、子供整体、構造的に正しい姿勢調整を行っています。

身体操作については、書籍にて「中心体操 初級」や、様々なオリジナルのトレーニングを紹介しました。このブログでは「中心体操 中級・上級」を含め最新のトレーニングを紹介します。